レトロ建築・豊郷小学校旧校舎群をみてきました

こんにちは、先日滋賀県の豊郷町(とよさとちょう)にあります、豊郷(とよさと)小学校旧校舎群を見学に行ってきました。

 


この建物は昭和12年(1937年)に建てられた、白亜のモダンな洋風校舎。
設計はヴォーリズ建築事務所。
アール・デコ調の階段や窓、ゆるやかな曲線が美しい階段手すりなど、当時としては画期的なデザインが魅力です。

「東洋一の小学校」とも呼ばれたこの建物は、今も地域の文化施設として大切に使われており、
校舎内は自由に見学可能。アニメ『けいおん!』の聖地としても知られ、全国からファンが訪れます。

この校舎を建てるにあたって、巨額の寄付をした古川鉄次郎さん、伊藤忠や丸紅のルーツともいえる近江商人の出身。
かつて奉公していた呉服商『紅忠』は、のちに丸紅の前身となりました。
古川鉄次郎さんは滋賀県・豊郷町出身の実業家・慈善家。住友財閥の初代総理事(現在の社長)として活躍し、住友の近代化を牽引した人物です。

実は1999年に町が「旧校舎の解体方針」を示したことから、保存を求める住民運動が起こり、裁判にまで発展。
全国的に話題になった「保存か解体か」の議論の末、2001年に保存が決定しました。

その後改修が検討されてその内容は
 ・鉄筋コンクリート造の耐震補強
 ・外観・内観を可能な限り当時の姿で再現
 ・バリアフリー化(エレベーターなど一部増設)
 ・文化施設(図書館・音楽ホール等)としての再整備

そして改修工事を終えて、2004年に文化施設としてオープンしました。

残しておいていただいて本当にありがとうございます。

●外観

  • 白亜の左右対称な校舎 約100mの長さがあります。

  • 昭和モダンらしい建築

 

●教室前の廊下

  • 昭和の小学校らしい長い廊下や木製のドア、黒板など。

  • 懐かしさとノスタルジーが漂います。

当時の机を再現して作られたそうです。

 

●ウサギと亀の階段手すり飾り

  • 校舎内の階段手すりに施された愛らしいモチーフ。

  • ヴォーリズ建築らしい遊び心が光るディテール。

(戦争中に金属類回収令で撤収されて、建築当時のものではなく昭和20年代に再現)

 

●階段や廊下のアール

「使う人にやさしい」ヴォーリズ設計のそのままに、アールの形状やモチーフがモダンかつ優しい空間。

  • ゆるやかな曲線を描く階段。

  • 光の入り方によって美しい陰影も楽しめます。

 

 

この日はヴォーリズ研究の第一人者である山形先生に案内していただいたき、その他に、講堂、図書館、理科室、貴賓室などを見学しました。

そして・・・

NHK連ドラの「カムカムエブリバディ」の岡山駅のシーンもこちらで撮影されたもの。
「May I write a letter to you?(あなたにお手紙を書いてもいいですか?)」
「Off cuorse. I will write to you in return. (僕も返事を書くよ)」



また訪れてみたいと思わせてくれるどこか懐かしい空間でした。

ではまた。

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